呼吸のように・・・

俳句のエッセー

つつじ(竜宮渕)

つつじの花。
大ぶりの赤いつつじが、水音に咲きそろっています。
竜宮渕といわれるここは、浅い川のようでいて、奥が深みになっているようです。
水の色が、そのことを表しています。
手前に立つ、人魚の像。
きゃしゃな少女のような人魚は、足の先が魚の尾になっていて、
岩の上に腰かけています。
美しい声と引き換えに、二本の足を得た人魚姫は、
王子との恋が実らず、泡となって海に消えました。
悲しい人魚姫の愛は、その体が泡となって消えたことで、永遠になったのです。
永遠を思って生きていない私たちに、
永遠を思いつつ生きるように、聖書は教えます。
今、この時、この「生」しかなければ、
自分のこと以外を思いやることは、損でしかありません。
今、この時の楽しみ、快楽、喜びの数だけが、自分の存在価値を決めると思うのでしょう。
しかし、私たちは永遠を生きます。
永遠を思い、そのために、今の自分があります。
そこに正義が生まれ、思いやりや愛が価値を持つのでしょう。
永遠を思い生きることを選んでいきたいと願います。