麦が青々として、雀がふっと隠れます。
真っ直ぐに立ち並ぶ麦は、凛として若さを思わせますね。
遠くはるかに山が青く、伸び行く季節を感じさせます。
俳句の景色として、幼子を持って来たり、
遠足の幼稚園児が歩いているのを詠んだり、
句会では、自転車を漕ぐ影が流れていく景色もありました。
遠くで鐘が鳴るとか、夕日に穂が輝いたとか、
穂波を詠んだ句も多いようです。
若く伸び行く思いを景色に詠みこみます。
青麦が波立ち吾子と卵割る 林 晴美
我が子を見つめる母のまなざし、想いが詠みこまれています。
女性ならば、特に胸を打つ一句ではないでしょうか。
見事に詠まれた「青麦」の景色です。