呼吸のように・・・

俳句のエッセー

踏絵

「踏絵」は、春の季語です。
春先によく行われた、と言うことです。
今、イエス・キリストが十字架にお架かりになる前の、受難の時を過ごしています。
現在は、恵まれた信仰生活を営める時代ですが、
レントの今、これまでの信徒たちの受難に心を傾むけるのはいいことでしょう。

エスの信仰を言い表すのは、とても大切なことです。
二人きりのところで、いくら愛を語ったところで、
人前で無視するようでは、その愛は?でしょう。
同じことです。
エスを愛しているなら、信仰しているのなら、
人々にそのことを言い表さなければなりません。

踏絵は、偶像です。
あれは神でもイエスでもありません。
ですから、踏絵を踏むことは問題にはならないでしょう。
ただ、それを踏めば、人々の前で信仰を否定したことになり、
神を拒絶したことになります。
そのことが重要なのでしょう。

先日、見た踏絵は、足型の中央に十字架が浮き彫りにされていました。
十字架は、くっきりと角が残っており、古さを感じさせませんでした。
あまり踏まれた痕のない踏絵。
使わなかったのか、踏まれなかったのか、それは分かりません。
信仰の先達の思いは、計り知れないと思いました。