呼吸のように・・・

俳句のエッセー

雪つぶて

春の雪に嬉しいのは、子どもや犬ばかりではありません。
大人もそうです。
城跡は春の雪に再び閉ざされ、眼前に石碑だけがそびえています。
ふざけて雪を丸め、えいっと放ります。
雪つぶては大きく逸れて、新雪の坂道へ消えました。
何度も、何度も。
大人も、しばらく子どもの心。
雪つぶてを投げ続けていました。