呼吸のように・・・

俳句のエッセー

御鏡に橙は必須。
いつも上手く据えられず、苦労する橙。
三方に整えて、それを床の間に移す時に崩れる、とか。
では、床の間に直に整えると、あらぬところに転がって、
すべてが台無しになる、とか、失敗はたくさんあります。
で、ついに楊枝を持ち出し、
橙に穿って、更に餅へ突き刺して、出来上がり…
これで心配はなくなりました。
ただ、楊枝のところから黴が激しくなったりしますので、ご注意を。
橙は、ほのかですが、いい匂いがします。

橙はミカンと違って食べられません。
それが不思議で、子どもの頃は、ずっと橙を食べたいと思っていました。
橙色が、如何にも美味しそうではありませんか。

今年の橙は、お尻の部分が、うっすら青みがかっていました。
その部分をお餅へ据えて、見た目には、まったく美しい橙色の橙です。