呼吸のように・・・

俳句のエッセー

京鹿子

色街の隅に、札所がありました。
こんなところに…
帽子を取り、鈴を鳴らし、願いごとをする人があります。
枝垂れ桜は紅葉して、
そのほとりに京鹿子がひっそりと咲いています。
人一人が通れるだけの道幅が、すぐそこで折れて、見えなくなります。
この札所へは、誰が来て、
何を願うのでしょうか?
深まる秋です。