呼吸のように・・・

俳句のエッセー

葛の花

縄文人は、基本的に粉食だったようですので、
潰して、丸めるなどして、鍋に放り込んで煮ていた、
と考えられているようです。
葛も重宝だったことでしょう。
葛という植物を意識して目にするようになったのは、
考古学を勉強し始めてからのことでした。

葛は、小学校からの帰り道に、崖をよじ登るのに便利でした。
探検ごっこに欠かせない植物です。
これが葛だったなんて、無知を恥じると同時に、
知識を得たことを大喜びしたのでした。

その葛に花が咲くなんて、
この事を知ったのは、俳句を始めてからでした。
普段は、全く意識しなかったのです。
見えていても、見ていない、
無関心とは恐ろしいものだと言うことの証明ですね。

葛の花は、正直、余り惹かれる花ではありません。
蔓延った葉の影になっているからでしょうか?
可憐な花ではないからでしょうか?
しかし、色どりはそれなりに綺麗です。
繁殖力の強い葛に花が咲いて、
季節の変わり目を感じます。

もうしばらく、このままでいてほしい…
何かを惜しむ気持ちです。