呼吸のように・・・

俳句のエッセー

浜昼顔

   きらめきて浜昼顔に次の浪    田島 和生

昼顔の咲く時間。
塩田はようやく乾き始めて、所々、白々としてきました。
風があり涼しく思いますが、
日差しは厳しく、みるみる暑さが増してくるような眩しさです。
海岸の岩に腰かけると、
まだ、ひんやりとしていました。

その心地よさを感じながら、波の音を楽しんでいると、
そこに何か打ちあげられていました。
貝がいっぱい張り付いていましたが、
良く見ると、膨張したシューズでした。
靴底の部分はぶよぶよ、
生地の部分は黒ずんで貝が張り付き、海藻が育っていました。
…こんなになるんだ…
不思議な感動を覚えました。

ぶよぶよのシューズにも、
岩に休んでいる私にも、
きらめいて次の浪がやって来ていました。