呼吸のように・・・

俳句のエッセー

夏草

宮古墳公園。
ちょっとした時に出かける、大好きな場所です。
前方後円墳には階段が作られていて、
そこから登ることができますが、私には必要ありません。
どこからでも登り、どこからでも降りることができます。
春先に草刈りをしても、今頃、また蔓延っています。
夏草の背は高く、みるみる生い茂り、
古墳を風化させるのでは、と心配になります。
すぐに刈られてしまうのですが、
この夏草に覆われた古墳も好きです。
燕は空を旋回し、雉の声も林を貫いて聞こえてきます。
蛙が鳴き、竹は皮を脱ぎ、町の雑踏を忘れます。
同じように、蝶々が来て、ゆっくりお食事します。
羽を閉じて、花の蜜を吸う蝶は、
社交界のレディのように気取って見えたりします。
そして、純真です。
自然には「裏」がないからでしょうか?
過酷に見えることがあっても、嫌らしくはありません。
だからこそ癒されるのかもしれません…