呼吸のように・・・

俳句のエッセー

塩田

  塩田に百日筋目つけ通し   沢木欣一

窓岩のある曽々木海岸に、この句碑がある。
揚げ浜式塩田は、江戸時代、加賀藩に推奨され能登全域に広がったが、
その後、各地に効率のよい塩作り法が発展し、姿を消す。
ただ珠洲市は、角花菊太郎氏とによって、存続させてきた。

塩田作業は、気候のよい4月から9月まで行われる。
汲んで来た海水を霧状に撒き、太陽の熱と風で乾燥させる。
天候に左右される作業のため、昔から「百日浜辺」といい、
塩田作業を百日することができれば豊作だと考えられてきた。

上記の俳句は、その「百日」の作業を詠んだものである。
社会性俳句として、この塩田25句により世に出た沢木欣一氏のこの句碑は、
昭和41年に建立され、現在、曽々木海岸ポケットパークに置かれている。