呼吸のように・・・

俳句のエッセー

ヨシキリ

一時、嵐のようになって、
激しい雨が降り、雷が鳴り続けました…
どうなることか、と思っていたら、
午後にはカラッと晴れて、春の日差しが気持ちよく、
雨が嘘のようでした。

それでは、と河原へ出かけると、
そこは、鳥たちの王国。
燕が見事な旋回を見せて水面をすり抜けていけば、
雉の声がするどく響きます。

そこに、群れをなして草むらを飛び立つ鳥が…
空中を固まって飛び、葦に揃って降り立ちました。
綺麗に葦の先端に一羽ずつ止まり、ポーズをとっているようです。
もしや…
羽を広げると、黄色っぽく見えます。
これは、きっと…
ギョギョシ、ギョギョシと、聞こえてきました。
まだ、それほど勢いはありません。
やはり、ヨシキリです。
早くも渡って来たのですね。
大歓迎です。

もうすぐ、河原は、
ギョギョシ、ギョギョシの大合唱になることでしょう。

夏近し、です。