呼吸のように・・・

俳句のエッセー

子雀

街路樹、とは言わないのだろう。
歩道につつじが植えられている大通り。
つつじに、まだ花はないけれど、
枝ぶりは立派で、大きな風船のように、
木の根元と枝の外とを隔てている。

そこへ、何かが目の端を動いていった。
錯覚か?とつつじの根元を覗いてみると、
何もいない…

錯覚か、と思ったところ、
また何かが動いた。
雀?
顔が見えないけど雀のようだ。
足もそれほど早くないし、どうも飛べないらしい。
子雀だ。
なるほど、つつじの根元を伝って走れば危険もない。
しきりに地面をついばんでいて、
やはり顔はよく見えない。

たくさん食べて、上手く飛べるようになる日まで、
すくすく育ってほしいと願った。