呼吸のように・・・

俳句のエッセー

チューリップ

チューリップが咲いた。
オレンジ色のチューリップ。
軒下に咲いて、少しずつ、少しずつ、開いていった。
太陽を喜んで、めしべを覗かせるほど開く。

にわか雨が来た。
大粒の雨が落ちてくる。
すると、チューリップは花びらを閉じてしまった。
雨から守る、チューリップの知恵。

ふと、花びらから何かが零れた。
糸を引いて蜘蛛が花から逃れた。
蜘蛛は、花びらが閉じたので驚いたのか、
雨に驚いて逃げ出したのか、
それは分からない。

チューリップが咲いている。
明日の日差しはどうだろう?
お天気だったらいいね、
チューリップ。