呼吸のように・・・

俳句のエッセー

春の鳥

春禽。春の鳥。
少々、天候が悪くても、元気のいい春の鳥。
大空を飛びまわる姿は、羨ましくもあります。
空が明るくなり、自由な気分が膨らんでくると、
空の鳥に自然と目がいきます。
気分は鳥のようです。

人は不自由でしょうか?
空を飛べませんから…
人には翼がないから、鳥のように自由ではないのでしょうか?

ないものねだり、ですね。
本当はたくさんのものを持っています。
ポケットには旅の名残りの椎の実が、
自由に空を眺める時間が、
帰る家が、
でも…

十分ではないと言いたい時があります。
これではなくて他のものをと言いたい時があります。
それでも、今、手にあるものをよしとしなければ、
新しい何かが手に入っても、同じでしょう。

必要なものは、すでにあります。
掌の中の青い鳥。
春の鳥の翼は、もう、あなたに付いています。
飛びあがってもいいですよ。
春ですから…