呼吸のように・・・

俳句のエッセー

宝船

元日から二日にかけて、枕の下に宝船の図を敷いて寝ると
吉夢を見るという風習がある。明治時代には、元日の夕方から
子供がこの絵を売り歩いたという。
              『風俳句歳時記』沢木欣一編1996

子供の頃、一度だけ試したことがありました。
父が、何か筆でいたずら書きのようなものを書いていたので、
楽しんで見ていたところ、それは宝船になりました。
枕の下に敷くつもりはなかったようで、
私が楽しそうにしていたので書いてくれたのでしょう。
そして、初夢の吉夢の話をしてくれました。

私は喜んで、枕の下に敷いて寝ましたが、
特別な夢を見ることはありませんでした。
最も、朝起きた時は、宝船のことなど
すっかり忘れているくらいですから、無理もありません。
以来、宝船を敷いたことはありません。

先日の初句会で、「宝船」の俳句がありました。
願をかけて、ピンと伸ばして敷いたそうです。
結果、どのような夢を見ることができたのか、
聞きそびれましたが、多分いい夢だったのでしょう。
その方の恵比寿顔が、そう語っていました。