呼吸のように・・・

俳句のエッセー

月凍つ

お天気のいい日の夜は、凍てつく寒さです。
昼間融けだした雪が再び凍り、粗目の一粒一粒に月光が輝き、
地表は海のようになめらかな光を放ちます。

待降節の今、初めて主と出会った時を思います。
私が望んだからではなく、主はすでにそばにおられ、
私が選んだからではなく、主が私を選んで、
悔い改める心を与えてくださいました。

2000年前、イエスは人としてこの世にお生まれになりました。
私たちと同じ戸籍を持って、この世に来て下さったのです。
私の家族や友人と同じように、この地上を歩まれました。

主イエスは、人として王となられることはありませんでした。
そうではなく、弱っている者を訪ねて歩かれました。

私が母を亡くした時、父を亡くした時、
黙ってそばについていてくださいました。
私が入院した時、励ましてくださいました。
私の失敗も過ちも、差別や裏切りも、
共に耐え、分かちあってくださいました。
その存在が主イエスだったのです。
地上の国の偉い王様であるより、ずっと身近で力強い存在、
それが救い主、イエス・キリストです。

私たちは弱く、限界があり、
いかなる時も、他者に対し、死を喜んで選ぶほどの心は持っていません。
望んでも得られない壁があります。それが人間でしょう。
その私たちの弱さのために、ご自分が死に至るという強さを
私たちに示して下さいました。
これは人の業ではありません。人には出来ないことです。
100万の兵をもって敵を破るより難しいことです。
なぜなら、最も呪われた者、罪人としての死だったからです。

私たちは誰も、口にはしない、出来ない何かを心に持っています。
主はそれを憐れみ、その事に寄り添って下さいます。
この弱い者としての神、それが救い主の姿です。
そして、その主は死にうち勝ち、ご復活され、今も生きておられます。

この救い主の誕生を待ち望みましょう。
喜んでお迎えしましょう。
クリスマスは救い主、イエス・キリストの誕生をお祝いする大切な日です。