呼吸のように・・・

俳句のエッセー

焚火

こんな私ですが、遺跡の発掘に携わったことがあります。
今ごろは日が短くて、最長で4時半までだったように思います。
日が傾いてきたかと思えば、あっという間に沈んでいき、
土の色は分からなくなり、図面が読み取れなくなります。

遺跡は刈田の一部にあり、辺りは一面、見晴らしのいい土地。
夕日が沈んでいく西側に、小さな焚火が見えました。
茜色の空がだんだんと深い紺色に変わっていく間、
炎は変わらずに燃え続けています。
やがて、闇の中にポツンと浮かぶ炎となり、
徐々に小さく、消えていきました。

焚火の炎が、寂しく感じられるのは、
冬の寒さを思い起こさせるからです。

焚火の炎が、温かく感じられるのは、
寒さの中での、ささやかな温もりだと知っているからです。

どちらも焚火です。
温もりを温もりとして、大切に思いたいですね。