呼吸のように・・・

俳句のエッセー

障子洗う

子供の頃、障子の桟を洗うのが大好きで、
大はしゃぎしながら洗っていた。
子供だから、水遊びと勘違いして、
ホースの水をジャンジャンかけて、
紙がきれいにはがれたと言っては喜び、
ちぎれたと言っては、おおげさに嘆いたりした。

おかげで、大人になってからも障子関係は私の係で、
その頃には、丁寧に霧吹きを用いて手入れをしていた。
最近は、障子紙はがしに便利な道具が売られていて重宝している。

障子を洗った後は、当然、障子紙を張るわけだが、
和紙を切るのは結構難しい。
カッターを使って切るのだが、
乾き具合では切れが悪く、まるで鋸を扱うかのようにして、
挙句に桟を突き刺したり、削ったりする。
しまった!と言ったところで、後の祭りで、
撫でてみても、なめてみても、もとには戻らない。
そんな時は、涼しい顔をして、すべて内緒にする。

新しい家になってから、一度も張り替えてはいない。
おそらく傷をつけるだろうから、触らずにいる。
でも、いつか、建具屋さんにお願いするのでなければ、
私が張り替えるのだろうけれど、
傷をつけても、また、涼しい顔で内緒にするのだろうと思う。
それが平和の原則?に違いないから…