呼吸のように・・・

俳句のエッセー

夕月夜

暇な時は暇なのですが、
何か起こってくると、一度に起こってくるのは、
なぜでしょう?
遊んでいる時は遊んでいて、忙しい時は忙しい…
バランスが悪いですね。

そうして、今日は歩きまわって疲れたので、
途中で紅茶の専門店で、ちょっと休憩をしました。
廓の中にあるので、窓は格子になっています。
格子越しに見える瓦屋根に秋の雲が流れ、
次々と屋根瓦の向うに消えていきます。
それを見ながら、太陽の香りのする紅茶をいただきました。
秋の空は、あっという間に薄紅に変わり、
お店を出た頃には、月が高くに浮かんでいました。

お店の提灯に灯が入れられ、町は違った顔になったようです。
古民家の並ぶ細い道を歩いていくと、
月が一緒についてきました。
薄紅の空は、すぐに紫色になり、やがて藍色になり、
月は一層輝きを増すのでした。