呼吸のように・・・

俳句のエッセー

団栗

縄文時代の遺跡から、団栗がまとまって発見されることがあります。
団栗の貯蔵穴です。
縄文人が保存用に埋めておいたものらしいのですが、
結局は食べられることなく、今に遺されたというわけですね。
現代日本人は、団栗を食べることはなくなりました。
ある地域では、伝統的料理として伝わっているようですが、
一般的でないことは確かです。

今、団栗は、遊びに使われています。
と言っても、独楽にしたりなどということもあまりしなくなりました。
ただ、団栗を見つけると、子どもたちはとても嬉しそうです。
以前、教会学校で子どもたちが、
大切な宝物をそっと手で包んでくるかのようにして、
代わる代わる団栗を見せに来てくれました。
自分の大いなる発見と、所有物とした誇りを、密かに報告してくれるのです。
団栗は宝物。
そんな子供のような感覚で自然を見つめると、
自然は新鮮な発見で満ち溢れています。
自然には、時を忘れさせてくれる力があります。
それを癒しと呼ぶのかもしれません…