呼吸のように・・・

俳句のエッセー

通草の実(アケビ)

空気が澄んで、空が高くて、気持ちがいい午後。
陽気に誘われて、大木白山社へ。
何度も言いますが、私はクリスチャンですので、
参拝に行ったわけではありません。
良く手入れされた境内は、新しい発見の宝庫だからです。

アケビがありました。
長い蔓がしなやかに伸びて、石の上に交わっていました。
卵のように丸みを帯びた石は三つ。
そう、力石でした。
良く手入れされているにも関わらず、
力石に蔓がはびこっているのは、アケビだからですね。
アケビの蔓に守られて、
力石は、温かなのか、くすぐったいのか分かりません。
アケビはのびやかで、秋を楽しんでいるのか、
日を惜しんでいるのか分かりません。

そんなことを考えながら、じっと佇んでいた私は、
秋の蚊にしたたかに刺され、
悲しみながら帰ってきました。
ああ…