呼吸のように・・・

俳句のエッセー

百日紅(さるすべり)

先日、ある神社にて、ピンクの花をつけた低木を見つけた。
と言っても、どこかで見たような花で、珍しいとは思わなかった。

私はキリスト者だけれども、神社の空間は好きで、よく気分転換に訪ねる。
何がいいのかよくわからないが、広々とした空間が気持ちいいのだと思う。

さて、その神社も社の三倍はあろうかという、何にもない空間が清々しかった。
その社の左側に、その花はあった。
近寄ると、隣にいらした方が、「百日紅」だと教えて下さった。
これが、百日紅か!…つまり、私は百日紅を知らなかったわけだ。
恥ずかしながら、私は百日紅を知らなかった。
ツルツルした木肌が特徴だ…ということは知っていた。
初めて実物と知識が一致した、貴重な瞬間だった。

さて、俳句会で「百日紅」を読めなかった。
それはそうで、花を知らないことも気にしなかったのだから、
読めないことも当然と言えば当然だが、
思わず句会で、その無知さを暴露してしまった。
恥ずかしながら、私は百日紅を読めなかった。

このことは、私にとって恥ずかしいことなので、
皆さんには、是非、内緒にしておいていただきたく思う。
その日、百日紅を教えて下さった方に心から感謝し、
「聞くは一時の恥」として、知らないことは
これからも謙虚に学んでいきたいと思う。

しかし、恥ずかしかった…