熊野神社の秋祭り。
幟が立って、屋台が並んで、
私は氏子でもないのに、いそいそ出かけて行った。
というのは、いただいた「富山の力石」に載っていた、
私にとって最も近くの力石が、ここにあるからだ。
今日は、宮司さんは忙しいと思い、
宮のお世話をしている青年に声をかけた。
本の写真には、4つの力石が載っているのだが、3つしかない。
あと一つを知りませんか、と尋ねた。
本の写真をまじまじと見つめた後、
さあ、あれかな…これかな…と、しかし、どうも違う。
「宮司さんに聞いてみましょう」と言ってくださって、
宮司さんにご登場いただいた。
若い宮司さんは、石の話に興味津々。
しかし、力石は分からない。
「もしかして!」といきなり思い立ち、
宮の隅へ案内された。
「ここは、刈った草を山盛りにしてあったのですが、
先日、草をトラックで運び出したら、中から石が出てきて…」
見ると、土まみれで、写真のものかどうかよくわからない。
ただ、ここは鬼門に当たり、おそらく力石ではないかと。
宮司さんは納得したようだ。
他の3つの力石と共に、大切にしていただくようにお願いする。
「注連縄をかけておこうか」とか言っていらした。
力石をこんな粗末にして、ろくなことがないと言うのだ。
これは何かのお知らせだ、と言って、私は大変感謝され、別れ際、
「お参りして行ってください」と言われた。
クリスチャンなのだが、嫌だとも言えず、
久々に神社で手を合わせた。(神様、ゴメンナサイ…)
賽銭を投げいれ、手を合わせている間、
ドドン、ドドンと太鼓が鳴らされた。
…新鮮だった。
さあ、宮司さんの誠意を確かめに(?)、これから、
足しげく通ってみることにしよう。