呼吸のように・・・

俳句のエッセー

灯の涼し

俳誌「雉」9月号より

 「新同人作家 競詠」

    エクレシア(教会)    福江 ちえり

  聖餐のグラスを挙げぬ春灯
  殉教の谷間の狭し地虫出づ 
  復活祭羽毛の付きし卵かな 
  百合を手に新婦は父と歩むなり                   
  礼拝や赤子の眠る灯の涼し
  絵硝子に青き葡萄や夏きざす
  青芝の墓地に開ける聖書かな
  受洗者の冷たき床に跪き
  クリスマス・キャロルの灯火燻りて 
  教会の門昏れゆけり石蕗の花

教会は、詠んでいきたい私の「テーマ」です。
今回、初めてまとまって載せて頂く機会を得て、
心より嬉しく思います。
主に感謝します。