呼吸のように・・・

俳句のエッセー

今年竹

  わたしの魂よ、沈黙して、ただ神に向かえ。
  神にのみ、わたしは希望をおいている。
             (詩篇62・6)

前方後円墳の頂きからは、
町が一望できる。
風が渡り、清々しい。

この期待は、裏切られない。
いつも爽やかで気持ちがいい。

古墳の近くに竹藪があり、
今年生まれた竹が、もう、墳墓を上回る丈になっていた。
白々とした緑色で、そんなはずはないのに、透明感がある。
竹の皮が、乾燥して筒状に丸くなり、
そのあたりに散乱していた。

日本人の知恵で、
この竹の皮を利用した様々な物を思い浮かべる。
竹は、笹も用いる。

この知恵はどこから来るのか?
時間は、どうして過ぎて行くのか?
いつまで、流れ続けるのか…?

二千年近く前の墳墓に立ち、
時間の不思議を思ったり、した。