呼吸のように・・・

俳句のエッセー

万緑(三井寺)

むせかえるほどの新緑。
いいお天気になって、本当によかった。

浮御堂を出て、私たちは三井寺にやってきた。
山門の前で記念撮影。
私たちは、全員写真に収まらねばならないので、
通りすがりの方にカメラをあずける。
集合写真を、である。
しかし、その男性は、カメラの扱いに慣れていらっしゃるようで、
つつがなく3枚を撮ってくださった。

暑くなってきた。
三井寺は上ってゆかなければならない道だ。

やはり、まず晩鐘だろう。
この大鐘は、一般にも撞かせてくれる。
一回、300円である。

砂利を踏みしめて、一振り、一度戻してから、
どーーーーんと撞く。

余韻がいい。

青葉の山々に鐘の音が響き渡る。
煩悩を振り払ってくれるだろうか。

一つ消えたかと思えば、また、鳴り続く梵鐘。
皆、つぎつぎに思いを込めて、打つべし!
ではなく、
思いを込めて撞いていたのだろう。

三井の鐘は、鳴り止まない鐘なのだ。