呼吸のように・・・

俳句のエッセー

青葡萄

金沢の外れに、ぶどうの木というレストランがあって、
葡萄棚の下で御食事ができる。
葡萄棚の下、というのは正確ではない。
葡萄棚を眺めながら、というのが正確なところだ。

窓際の席で、コーヒーとケーキを頂いていた。
夕方になり、雲も出てきて、ちょっと過ごしやすくなった。
その時、ウィーンと音がして、頭上が開け、青葡萄が現れた。
ドームのように天井が開く仕掛けになっていたのだ。

夕方の明かりを集めるには、とても良いアイディアだろう。
青葡萄は、まるで作りもののように、綺麗だった。

お店を出ると、ハーブがあった。
ハーブ園のハーブの花に、熊蜂がついていた。
熊蜂が離れると、ハーブの花は、ぴょんと跳ねて真っ直ぐに立った。

自然の息づくレストランだ。