呼吸のように・・・

俳句のエッセー

えごの花

えごの花は散り急いで、もう地に広がっていた。

色が移ってしまったものも、白が鮮明なものもあって、
それぞれが触れ合いながら、地の上にこぼれていた。

葵塚を右手に
巴塚を左手に
えごの花を踏みつつ歩む、歴史古道。

兵士も、また、
ある者は追い、ある者は逃れて、
この花を踏みしめ、駆けていったのだろう…