呼吸のように・・・

俳句のエッセー

満月

近頃は「メール」の時代で、
手紙やはがきを書く人が減っているとのことです。

確かにメールは便利です。
ですが、手紙やはがきには、
メールにはない、何かを伝えることができます。

特に切手は、その意味で、大きな役割を果たしてくれます。
絵画や写真の美しい切手には、思わず目が止まるものです。

しかし今では、使用済み切手も、随分少なくなっているとのこと。

私も古切手を集めていますが、なかなか集まりません。
ある程度の量になったら、
日本キリスト教海外医療協力会(JOCS)に送ろうと考えています。

JOCSでは、届けられた古切手を、
種類が偏らないように、適当に段ボール箱に分配していき、
そして、いっぱいになったところで、
古切手収集家に、一箱単位で買っていただくとのことでした。
これが、活動資金になっているのです。


特に価値があるのは、切手のど真ん中に消印が入っている、
「満月」と呼ばれるものだそうです。

一度、記念日に、郵便局で消印を押していただいたことがありました。

「満月」にしてくださいと言うと、それはできないと言われました。
割印のように、切手と封筒とに印が押されてなければならないのだそうです。

しかし、それにもかかわらず、「満月」は、存在しました。

東京からの何でもない通信資料の封筒に、
小さな切手をはみ出すことなく、傾くことなく、消印が押されてあったのです。

それを受け取った、にわか収集家の私も狂喜し、
この印を押した人は、ものがわかっているなと、感心したのでした。

もし、この活動に興味をお持ちになる方がありましたら、
是非、この機会に、JOCSへ古切手をお送りください。

これほど小さな行動が、アジアの医療の向上につながるなら、
それほど素晴らしいことはないと思うのです。