呼吸のように・・・

俳句のエッセー

おたまじゃくし

子どもの頃、小学校でカエルの勉強をし、
カエルの子どもはオタマジャクシ、
卵は透明な帯状で、田んぼや川にいる、と先生が教えてくれます。

すると、放課後には、やぁ!とばかりに、仲間と探しに行くのでした。

発見するのはとても簡単で、田んぼに見つけることが出来ました。

裸足になり、巧みヒルを避けながら、
おたまじゃくしの進行方向を、逆からにコップで掬っていきます。
小さなバケツは、あっという間にいっぱいになり、30匹は軽いものでした。

別に、捕まえて育てようとか、そういう殊勝な考えがあるわけではなく
捕まえることが目的だから、とにかく捕まえられるだけ捕まえました。

それを持って帰ると、親たちは
「捨ててくるように」、説得を始めるのでした。
私たちは、一匹たりとも捨ててなるものか、と頑張るのだけれども、
結局は、近くの川へ放してしまうのでした。

さて、教会には教会学校というものがあり、
子どもたちが礼拝のあと、園庭を遊びまわります。
細い溝におたまじゃくしがいる、という情報に、
子どもたちは、すぐに集まってきました。

しかし、そこにヒラヒラと馴染みのない生きものが…
触ろうとする子を制して、
ヒルっていって、血を吸うから」と、注意すると、
余計に珍しがり、手を出したがるのが子どもたちです。
ビニール袋に捕獲して、大事に持って帰るのだと言い張っていました。

母親が迎えに来て、その子はヒルを手に、
一旦は嬉々として門を出て行きました。
が、やっぱり戻ってきました。

「捨ててきなさい」 
そう言わない親はないでしょう。
それなら、まだ、おたまじゃくしの方がマシです。

子どもは、ぶ然としていましたが、
翌日には、忘れてしまうことでしょうね…