兼六園に梅を見に行きました。
でも、まだ早かったようです。
梅林の中央に、金縷梅が一本あり、
ぼんやりと咲いていました。
なんとなく、はっきりしないのが、
この花の特徴のようです。そう思います。
春という季節も、そういえば、はっきりしません。
暖かいのか、寒いのか分からないし、
晴れているのか、曇っているのか分かりません。
世間では、新しいことと古いこととが入れ替わり、
喜んでいるのか、悲しんでいるのか分かりません。
出会いがあり、別れがあり、
春の味は、見た目に甘く、口には苦く、
複雑な人の心を表しているようにも思えます。
兼六園の金縷梅は、梅林の中でたった一本、
いち早く花をつけてはいるものの、
ぼんやりと煙って見えます。
目立っているのか、いないのか…
それは見る人の心持しだい、と言えそうですね。