呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

曼殊沙華

夕方は遠くの曼殊沙華が見ゆ 細見 綾子曼殊沙華のはっきりとした朱色、河原などに見かけます。 土手一面の曼殊沙華は、遠目にも鮮やかに見えます。 しかし、夕方になったからといって、 遠くの曼殊沙華が見えて来るとは、実景として考えにくいのではないでし…

出来ましたよ

雉賞の締め切りが、9月末から8月末になり、 随分と忙しい夏となっています。 俳句を作るのが難しいと感じるのは、 時間と成果が比例しないところで、 もっとも、事務的な仕事でなければ、みな同じかもしれませんが、 長い間、じっと机に向かっていたとしても…

キリスト者の恵み

今日は日曜日。主日礼拝の日です。 日々の生活には、迷うことも多いですし、悩みは尽きません。 どうしたらいいか、いつも選択の連続です。 その時、私たちは、神に祈ります。 さまざまに、自分の言葉で父なる神に訴えるのです。 ですが、父なる神は、私たち…

男性、女性、その他

法政大学総長、田中優子先生にお会いしました。 今日は、法政大学富山校友会の総会で、田中優子総長がお見えになり、 文化講演会をなさいました。 一般の方々の入場も歓迎し、入場は無料だったそうです。 それは、田中総長の希望であり、常々、 法政大学とい…

林檎山

何事も模倣からとは、確かにそうですが、 酷似しているのは、よろしくないでしょう。 しかし、どこかで聞いたことのあるような句、というのはできるもので、 後で調べてみると、やはり、そうだったか…というものがあります。 今日も、自分で詠んだはずなのに…

鶏頭

鶏頭を三尺離れもの思ふ 細見 綾子大変有名な一句、細見綾子先生の代表的な俳句です。 写生句を謳う「風」俳句において、‟難しい”と思う俳句であるかもしれません。 これは、写生句なのか、 そもそも、こんな俳句があっていいのか、 初心者の私は、そう思っ…

冬薔薇

もう、8月も22日だというのに、 俳句がなくて困っています。 暗礁に乗り上げる、わたし…という感じです。 困りました。 さて、細見綾子 第2句集『冬薔薇』。 すでに背表紙が剥がれ、頁を開くと、 ぺりっと紙が落ちてしまいそうな古書です。 開き切らぬよう…

蛙の大鳴き

一つ鳴き万の蛙の大鳴きす 田島 和生田に水が張られてから、じわじわと蛙の声が増えて行きます。 蛙の声など、とんと聞いたことがない…という地域の方もあると思います。 それは、かわいそうなことだと思います。 が、それも勝手な思いであって、蛙が居なく…

俳人はなぜ長生きか

ある新聞で連載の「平和の俳句」。 選者の金子兜太さんが、退任されました。 98歳となられ、集中して選評を書けなくなったからだそうです。 俳句の選というのは、並大抵の体力では難しいと思っています。 何千、何万という数の俳句を読むだけでも相当ですが…

おたまじゃくし

ぬばたまの蝌蚪散りまどふ泥けむり 田島 和生「ぬばたま」とは、黒く小さなものとしての譬えでしょう。 蝌蚪、オタマジャクシをイメージして、 そのように表現されました。 おたまじゃくしが育つころ、田に水が張られるころ、 黒っぽい土かと思って見ている…

黴の花

乱れ字の青春日記黴の花 田島 和生関東地方は、8月に入りこれまで、毎日が雨だそうです。 今年は、北陸の方が暑いようですが、これはフェーン現象によるもので、 関東と北陸は、暑さ、涼しさが逆になるのですね。 ということで、関東地方では、 梅雨時よりも…

雲の峰

珈琲の氷嚙み割る雲の峰 田島 和生終戦日を迎えました。 ある方は、敗戦日と言っておられます。 どちらも正しいのでしょう。しかし、意味するところは違うようです。 戦後の混乱期を、映像などで知ることができますが、 実際のところは、はかり知ることはで…

更衣

ちちははの写真に見られ更衣 田島 和生子どもの頃、父に見守られ、母の愛情に包まれながら 過ごした時間を思います。 その父母も、もう、写真の人となって久しい。 父母の写真を置いた、奥の部屋で着替えをしていると、 ふと、見られているような感覚になり…

盂蘭盆

旧盆を迎え、帰省されている方も多いと思います。 本日の礼拝では、ご旅行中の方、帰省の方など、 たくさんの方がお見えでした。 また、北陸学院の学生も多数。 拍手で歓迎いたしました。 中に、神戸六甲教会からご婦人がお見えでした。 こちらへ移り住むこ…

成田山

一筋の白滝懸かり成田山 田島 和生成田山新勝寺。雄飛の滝。 本年度、同人総会吟行会は、成田山が吟行地でした。 とにかく広い敷地で、何を詠むかも試されるところ。 いい句材でも、同じ題材で、あまりにたくさん出句されると うんざり…ということはあります…

窓岩と塩田句碑

久々の奥能登。 「塩田に百日筋目つけ通し」沢木欣一 さびれた奥能登の風景を詠った俳句「塩田」。 しかし、今は、塩田ブームです。 塩田は増え、角花家は、息子さんが継いでおられました。 奥能登の厳しい自然。肩を寄せ合うように建つ家々。 それは今も変…

風の盆

編笠に茶髪のうなじ風の盆 小室 登美子句集『初仕事』より。 小室登美子さんは、ご自分の句集でありながら 手にすることなく、旅立ってしまわれました。 この句集は、ご遺族の方々との合作の性格があります。 それはそれで、とても価値あることだと思います…

とこしへの一瞬

とこしへの一瞬を滝落ちゆけり 田島 和生延々と続く落ちゆく水、滝。 一滴一滴が集まり、流れとなり、滝となって落ちてゆく。 それが、とめどもなく続くのです。 とこしえに水は流れ続けます。 とぎれることなく、落ち続けます。 その中の一滴を目で追い続け…