呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

苗ながら…

苗ながら檜まつすぐ冬の山 田島 和生WEP俳句通信より、「雉」田島和生 主宰の作品、 「近江逍遥」を鑑賞しています。 「冬の山」とありますが、ここは杣山です。 大切に育てられている檜が、立ち並んでいるのでしょう。 その一角は、苗が植えられてありま…

語らへり   

枯木みな瘤もて何か語らへり 田島 和生WEP俳句通信より「近江逍遥」16句。 「雉」主宰 田島和生先生の作品を鑑賞しています。 枯木は、裸木ともいわれれ、葉を落とし尽くして、 幹が枝を張って、寒々と立ちすくんでいる、そのような風貌です。 あらわにな…

一縷の水

枯蔦を伝ふ一縷の崖の水 田島 和生WEP俳句通信より、「近江逍遥」16句。 「雉」主宰 田島和生先生の作品を鑑賞してます。 枯蔦、大木に絡みついて、風にゆらゆらとしている たくさんの手のひらのような、蔦の葉。 冬になり、葉は枯れて、また落ちて、蔦は…

冬の水

水口(みなくち)という村過ぐる冬の水 田島 和生WEP俳句通信、「近江逍遥」より。 「雉」主宰 田島和生先生の作品を鑑賞しています。 水口という村の名前、それは、作者が知っていたというより、 おそらく、村の入り口か何処かに書かれていたのでしょう…

蔦落葉

山城へ緩急のみち蔦落葉 田島 和生WEP俳句通信から、「近江逍遥」16句。 「雉」主宰、田島和生先生の作品をご紹介しています。 城というと、江戸城や大阪城を思いますが、 それより少し時代は遡る山城とは、簡素な佇まいです。 山に堀切を設け、柵をめぐ…

翡翠

枝川の凍てを翡翠一閃す 田島 和生WEP俳句通信より。 「雉」主宰 田島 和生 先生の作品「近江逍遥」。 ゆっくりと山道へ入ってゆくと、やがて 道は狭まり、九十九折に見通しがきかなくなります。 そんな中、ふと視界が開け切通しに細い川が現れます。 人…

枯芒

大うねりして白銀や枯芒 田島 和生WEP俳句通信 Vol.96よりお届けしています。 「近江逍遥」16句 枯芒は、冬の間もそのままに残って立っています。 文字通り枯色をしており、歌の文句ではないけれど、 立ち枯れの姿に哀れを思います。 さて、掲句の枯芒は…

冬椿

冬椿半ば開きに金の蘂 田島 和生椿の花の蘂は、ことの他豊かです。 豊かな金色の蘂の、金色の花粉がこぼれ、 真紅の花びらに散っているのは、心に残る美しさです。 開き初の椿は、姿がとても可愛らしい。 幼い子が、唇を開いたかのようにも見えると、いつか…

つがい鴨

番鴨一つ光に湖わたる 田島 和生三寒四温、寒暖激しく、 今日は、昨日とは打って変わって曇天の寒さでした。 鴨がやって来る山の池を覗くと、鴨の姿はありません。 出掛けているのか、もう帰ってしまったのかは、わかりません。 掲句は、鴨が生き生きと飛ぶ…

春の愁い

つかの間をこの星に酌み春愁ひ 田島 和生春の愁い。 あまりに勢いよく木々が芽生えるので、 あまりに風がかがやくので、 愁いが心を離れません。 幸せは、みな、目の前を通り過ぎてゆくようです。 切なさは、他のどの季節よりも大きい、春。 楽しいはずのこ…

1%

こんなことを聞きました。 普段の生活、日々、まったく変わらない生活をしていても、 筋力は、毎年、1%ずつ減少していくそうです。 怖いですね。 対策として、何か運動をしなければ、 間違いなく衰えてゆく、ということになります。 怖いですね。 体力は、…

蛍烏賊のお話

三月から蛍烏賊漁が始まります。 富山湾は、岸からすぐに深くなっていて、 蛍烏賊の産卵に適しているのでしょう。 蛍烏賊がやって来る頃、つまり 漁が始まるころは、海の水も澄んでいて、 その頃が、もっとも蛍烏賊の発光がきれいに見えるそうです。 それか…

沈黙

原作、遠藤周作 映画「沈黙‐サイレンス‐」 行ってきました。感動しました。 遠藤周作は、私の大好きな作家です。 私は、遠藤先生のノーベル文学賞を夢見ていたのですが、 叶わず、先生は帰天なさいました。 そして、今、巨匠、スコセッシ監督による映画化。 …

聖夜

身籠の腹をなでをる聖夜かな 田島 和生このように詠みあげることができるとは、素晴らしいと思います。 聖母マリアは、12月24日、馬小屋でイエスを生みました。 聖夜と云われるようになった、救い主誕生の出来事です。 その日、世界中が讃美歌を歌い、お祝い…

蛍烏賊漁吟行会

蛍烏賊漁吟行会について、ご案内です。 船に乗りますが、とても寒いそうですので、 スキーへ行くような格好できてくださいとのことでした。 予約は、3月1日から開始されますが、 吟行の人数を早めに把握したいので、予約の締め切りは2月19日にいたします。 …

主の日

日曜日は、主の日。 礼拝へ出席しました。 主は、相変わらず、迫力で迫って来られ、 私は、真剣に受け止めました。 「神様、助けてください」 そういう叫びに、主は答えてくださいます。 口にしなくとも、心の叫びを、主は聞いておられます。 「主よ、死にそ…

夢から覚めて…

先生の夢に覚めたる大くさめ 田島 和生「林徹先生」と前書きされています。 この夢は、徹先生の夢でした。 私は、選を受けておりましたが、お会いしたことはありませんでした。 大変、厳しい方だったと伺っています。 「嘘字を使う者を信用しない」と言われ…

枯葉

女郎蜘蛛枯葉外しにかかりきり 田島 和生思い浮かべると、笑ってしまう作品です。 枯葉が舞い散る頃、大量の枯葉が蜘蛛の巣に懸かっているのを目にします。 蜘蛛の巣は、見えにくいから効果があるので、 これでは丸見えで、引っかからないだろうなと思うので…

最後の一日

人生が、今日、一日で終わるとしたら、 あなたは何をしますか? その問いかけに考えました。 貧しい私は、まず、部屋を片付けるだろうと思いました。 あと一日しかないのなら、様々に思い描いてきたことも どうも実現しそうにありませんから、 結局、無駄な…

落ちないリーフ栞

素晴らしい発明品(と思っている)、 「落ちないリーフ栞」。 葉っぱの形にしっぽのようなものをくっつけた形です。 工夫したのは、平面カットという点。 そして、革という点です。 しなやかさと強度は、革にしか出せません。 しかし、材料の問題で、今は合…

十日会句会

雉十日会句会は、十日会として20年近く続いた句会を 「雉」句会として再出発した句会です。 次の4月で、丸6年になります。 6年の記念に、何か催しをしたいと考えています。 数年前、慶寿の方に、手作りの句集を差し上げました。 とても喜ばれましたので、次…

春の雨

昨日より、雨は「春の雨」となりました。 日中、睡魔が襲い、私を困らせますが、それも春のせいでしょうか。 早くも「目借時」… 春は眠い。 気だるさも、また、春の産物です。 暖かだったり、寒かったり、 気候もゆらゆらと揺れつつ、春は闌けてゆきます。 …

烏瓜

浮雲へちかぢか山の烏瓜 田島 和生季語は、「烏瓜」。秋。 烏瓜の花であれば、夏の季語になります。 花は、不思議な、レースのようなお花です。 実は赤く、5センチほどの楕円形をしています。 調べると、霜焼の薬や天花粉の原料となるのだそうです。 ふらふ…

冬わらび

合戦の山路崖なす冬わらび 田島 和生倶利伽羅古戦場にある地図では、 平家が落ちて行った谷が記されています。 厳密に史実に則っているかどうかは分かりませんが、 谷深くへ続く崖が、印象的です。 今では、展望台ができ、 自然豊かな谷を一望できる場所とし…

月悲し

返り見て落葉激しき芭蕉みち 田島 和生倶利伽羅峠にて、芭蕉は有名な俳句を遺しました。 義仲の寝覚めの山か月悲し この辺りでは、句碑も建てられて、この句を知らない人はありません。 倶利伽羅峠のこの道で、落葉が激しく風に舞う景色。 冷たい風が吹くた…

二月

二月になりました。 三日は節分、四日は立春です。 俳句の材料が豊富なころでもありますが、 二月は短いです。 心して、季節を詠みあげたいと思います。 空の鳥、海の魚、 どれも皆、主の造られたものです。 どれも美しく、素晴らしく、主の栄光を表すもので…