呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夜回り

金沢の町を歩いていると、 角の向こうから、拍子木の音が聞こえてきました。 声はなく、独特の打ち方だったように覚えています。 伝統なのでしょうか。 今ではお店が多くなり、新しい通りもできて、人も入れ替わったでしょうに、 それでも夜回りは町内で続け…

一粒の麦

俳人 中山純子先生が天に召されました。 たくさんの俳句を遺して、 今頃は、師の沢木欣一先生、細見綾子先生とご一緒かもしれません。 私たちの命には限りがあります。 ですがその命も、地に落ち、一粒の種となって、 さらに萌え、広がることでしょう。多く…

草むしり

危機的状況をみて、いきなり草を刈り始めました。 蚊遣りをして、重装備で臨みます。 鋏を使って、すっきりと伸び切った草を、まず倒して。 夏の初めに刈った時と比べれば、思ったほどではなくて、すぐに終わりました。やれやれ…と一休みして、 今日中にしな…

夏蝶

夏蝶に釉うつくしき瓦かな 林 徹夏の蝶をすべて「夏蝶」と言いますが、 揚羽蝶を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。 ひらひらと羽を羽搏かせて、花から花へ移る揚羽蝶。 一方、黒揚羽は、風に乗って馳せていきます。 飛び来たと思えば、ふっと飛び…

ビーナスの腕

日曜日は主の日。 受付当番で、早く行きました。 しっかりしていない私が、朝からちょっとだけ緊張して臨みました。 教会員の方々をお迎えして、ご挨拶して、今日は始まりました。主にしたがって、自分の十字架を負っている私たちです。 弟子には覚悟が要り…

呼び集められた者

「わたしのもとへ来なさい」 主がお呼びです。 私たちは不完全で、誤解や失敗や過ちから逃れることはできません。 弱く、頼りない私を見つけて、抱き上げてくださいます。 「わたしのもとへ来なさい」 子猫が拾われていくように… 巣から落ちたひな鳥を手に乗…

百日紅

来月、「雉」金沢句会の兼題、「百日紅」。 近くの牧場に、白さるすべりがあるのですが、 花は、まだでした。 能登へいく道すがら、あるいは民家の庭に、百日紅をよく見かけます。 色の種類が豊富のようで、同じ赤でも、様々にあるようです。百日紅家の深き…

私たちは、卵です。 みんな「卵」。 卵は、未熟という意味でだけではありません。 可能性、という意味です。 私も、卵。 まだ、ぜんぜん卵です。卵は、温められて、成長するようです。 温められています。 大切にされている、私たちは「卵」です。 だから、…

戦い済んで、日が暮れて…

小説のタイトルではありません。 今の私の実感です…皆さん、「雉」アーモンド句会にご出席いただき、ありがとうございました。 お疲れのことと思います。ゆっくりお休みくださいね。私も、それなりに疲れました。 幹事の本多静枝さんに助けていただき、なん…

涼しかりけり

俳句で「かり」止めを指摘されました。 文法的に正しくないのだそうですが、 以前は、よく使われていた記憶があります。 例えば「涼しい」と「あり」が一緒になって、「涼しかり」となりますが、 ここで終えてはおかしいので、「けり」をつけねばなりません…

薔薇

薔薇は夏の季語です。 ですが薔薇は、季節を問わず咲く花で、 その意味で、吉祥図にもよく登場します。薔薇といえば、佐藤尚夫先生の句集「薔薇」を思います。 佐藤先生は、奥様とともに薔薇を育てていらして、 薔薇たちは、お二人の人生に寄り添ってきまし…

十字架

日曜日は主の日。 礼拝後、「シャガールの絵と信仰」というテーマで、 牧師先生にお話頂きました。 アンケートには、「興味深い」という言葉が目立ったようです。シャガールというと、頭に何枚かの絵が浮かぶ程度で、良く知りませんでした。 今回のお話で、…

暑さ

夜になり、また雷雨です。 日中は、いいお天気でした。 帰省した兄と、いろいろ用事を済ませ、 時間があったので、21世紀美術館へ案内しました。 町中をぶらつくように歩き、面白い展示を見て、体験して、 楽しい時間を過ごしました。ふと、ウィンドウの前…

クジラのひれ

兄が帰ってきて、にぎやかです。 日本海の幸を味わい、お酒もビールも楽しみ、 俳句の話をたくさんして、今、休みました。 兄の結論は、 「我が家は頭が悪いから、感性で生きたほうがいいかもしれない」 でした。 それも簡単ではないと思いますが…居酒屋で、…

雷雨

夜になって、いきなり窓の外に激しい水の音がして、雨だとわかりました。 激しい雨でした。 これで、少しは涼しくなるかもしれません。今日は、句会の仲間の方から、 同人に推挙されたとの報告がありました。 とても嬉しい報告でした。 これから、ご一緒に頑…

朝顔

朝顔の種をまきっぱなしにしたので、 蔓がお互いに絡み合って伸びたり、 室外機に絡みついたりしていたので、あわてて支えをさしてあげました。 が、まだ上手く絡みついてくれません。 無理やり絡ませて、蔓を損なってもいけませんので、 のんびり待つことに…

蝉が鳴きだしました。 蝉の声を聞くと、夏を感じます。 私は、夏が好きです。 生命の極み、と言いますと大げさかもしれませんが、 すべてのものの頂点である気がするからです。 最も輝かしい季節だからでしょう。 春が愁いを感じるのも、秋が悲しいのも、夏…

トウモロコシ

いよいよ大好きなトウモロコシの季節がやってまいりました。 放っておくと、毎日、どれだけでも食べてしまいます。 近頃、気づいたことですが、 トウモロコシの頭の部分に、1ミリほどの青い穂先が出ています。 注意してみると、どのトウモロコシにも必ずある…

プレゼント

不思議なことに、心に漠と描く「欲しいもの」を頂くことがあります。 香水が欲しいと思っていると、イスラエルのお土産に頂いたり、 先日、A4サイズの入るバックが欲しいと思っていると、 使わなくなったからと、上等の革のバックを頂いたり…とても不思議で…

独活の花

句集を読むのは、実はとても遅いのです。 なぜ、遅いかというと、 いい句があれば、心打たれて、しばらく読めなくなりますし、 あるいは、自分の句を顧みて、推敲をはじめてしまうので、 なかなか読み進めることができないのです。今日も、林徹先生の句集を…

鴨足草(ゆきのした)

兼六園の曲水は、軽やかな音を立てて流れていきます。 町中には珍しい鳥も、兼六園に出会うことがあります。 それだけ環境が整っているのでしょう。 庭としても手入れが行き届いています。 小さな草花にも配慮がされていて、落葉一枚、花びら一枚、命の輝き…

梅の実

梅の実が落ちて、草の中。 顔を出している、三個、四個… いつしか色づいて、うっすらと紅色。 梅の実は、青。 地に落ちて色づくことも、自然の恵。自然の美。 梅の実は、自らの根にとどまって、息づいている。

能登塩田

沢木欣一先生の「能登塩田」二十五句。句集『塩田』に収録されています。 実は、25句すべてを目にするのは初めてです。今では道が整備され、奥能登も近くなりましたが、「バスで二時間、町野町に一寒村あり、 もっとも原始的な塩田を営む、嘗て二十余を数…

有間の皇子

mijinyamatanishi.hatenablog.jp 結葉(むすびば)。 盛んに萌える若葉。 そのように若葉が茂り、重なり合っている様子をいいます。 木下は、雨のしずくもまばらなほど、葉が生い茂り、重なり合っています。 結葉とは、それだけで人の思いを感じさせる季語です…

露台

露台。 あまり耳にしない言葉だと思います。 少なくとも、私は、 「バルコニー」「ベランダ」「テラス」と言った方がピンときます。 しかし、日本語では「露台」というようです。露台。夏の季語です。 炎天下、むしろ暑さの激しい場所となりますが、 朝夕、…

風の名前

主なる神は、野のあらゆる獣、空のあらゆる鳥を土で形づくり、 人のところへ持って来て、人がそれぞれをどう呼ぶか見ておられた。 人が呼ぶと、それはすべて、生き物の名となった。(創世記2:19)私たち、一人一人に名前があるように、 野の獣、空の鳥にも、ひ…

草刈

草刈(くさかり)。 夏の季語ですが、特に珍しい言葉ではないでしょう。 副季語に、「草刈る」「下刈」「朝草刈」「草刈女」 「草刈籠」「草刈鎌」「草刈機」「牧草刈る」があります。先日、夜になって、翌朝はゴミの日だと気づき、 慌てて家の前の草を刈りだ…

黴(かび)

蒸し暑く、うっとうしい季節です。 湿気が多いと黴が繁殖します。 特にキッチンの水回りが顕著で、 栄養分が豊富ですから、黴も大喜びで繁殖してしまいます。 そして、「黴」は、夏の季語です。 このような季語もあるのですね。先日の「雉」アーモンド句会に…

捩花

捩花(ねじばな)。 何でもない草花なのですが、とても愛されています。 私の住むところでは、その辺にいくらでも見ることができますが、 観賞用に育てられていることも多い草花です。 すっと伸びた茎に、らせん状に小さな花を咲かせるので、この名があります…

噴水

兼六園の噴水。 土地の高低差を利用しての噴水です。 日本最古と言われています。 子供の頃、兼六園の噴水が有名と聞かされて行き、 こんなものが…とがっかりした思い出があります。 もっと派手な噴水は、公園などにたくさんありましたから。 ですが、動力を…