呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

葡萄の房(主の家)

日曜日は主の日。 午前10時、教会の鐘が響き合うなか、聖堂へ入りました。主の御旨がどこにあるのかを尋ねていました。 また、今が正しい方向を向いているのかどうか、 そのことだけが、唯一、大切なことです。主は、御心を変えられる方ではありませんが、…

木賊刈る

木材の伐採から加工までの工程を見学して来ました。 地元産の杉材の生産は疲弊しきっているとのことで、 「山を守ろう」との啓蒙が目的の一つのようでした。 その加工場で、廃棄される木っ端を、 自由に持ち帰っていいと言われて、一ついただいてきました。 …

薄(すすき)

この辺りには芒が見られます。 あちらこちらに群生して、背が高くて、つやつやしています。 夕日が透けて、金色に見えることもしばしば。 それは、麦や、稲や、猫じゃらしと同じようです。 ですが薄は、花火のようで、 また、違った趣があります。夕日が集ま…

鬼の子

これは、「みのむし」のことです。 鬼の子なんて、可愛い名前ですね…というのではなく、 これは季語ですので、覚えておかなければなりません。 先日、句会でこの単語が使われて、新鮮に思いました。 季語は俳句の命なのだと、改めて思いました。季語には「副…

サイダー

九月に入ってからも、随分暑い日が続きましたが、 なんとなく秋らしさを感じるようになりました。 家より外の方が涼しいことがあります。 さて、サイダーは夏の季語ですが、 まだサイダーと仲良く付きあっています。 特にお風呂上がりには、いいですね。俳句…

大きな梨をいただきました。 口の中でシャキシャキいって、とても甘い… 日一日と秋らしくなっていくこの頃ですが、 夏の疲れをいやしてくれる果物のようですね。この辺りは梨の産地で、車で走っていても、 道路沿いに簡易販売所のようなものがあります。 袋…

栃の実

栃の実が大地を打って 弾けて 中から現れし実の大きいこと 大きいこと それを拾った腕が しなやかに円を描き 栃の実が地を馳せてゆく 一度 二度 大地を蹴って 私の足元に転がり来てとまる 露に濡れた実を掌に包めば それは 命の種 芽生えては広がりゆく

秋の潮(地の塩)

日曜日は主の日。今日は吟行句会だったため、教会の夕礼拝へ出席しました。わたしたちは、地の塩なのだそうです。 塩はお料理に欠かせないし、防腐剤的役割もあります。 現在は身近なものですが、貴重なものです。大切な存在である「塩」は、役目があるから…

金柑

「倒卵型の実の果皮は熟すと甘みがある。 晩秋黄熟したものを皮とともに生食したり、砂糖漬けにする。」 ( 沢木 欣一 編 『風俳句歳時記』) 金柑で思い出すのは、金柑頭。 「毛がなくて、金柑のように赤く光った頭。はげあたま。きんかんあたま。 金柑頭の…

秋うらら(ぷにゅぷにゅ)

秋うらら… 美味しいものが食べたい…などど あさましいことを考えていたら、一枚の葉書が届きました。印刷ではないか、と思うような文字で、 小さく丁寧に書かれてあるのは、まさしく直筆。 こんな細いペンは、どこに売っているのだろうと、 まず、変な感想を…

檸檬水

かつてイタリアへ旅行した時、 ミネラルウォーターを買いに行くことになって、 イタリア語が全くできないため、添乗員の方に尋ねました。 「アクアミネラーレ」と言ってください、と言われた。 イタリア語は、カタカナ発音で通じるので、そのまま言えばいい…

獺祭忌(子規忌)

今日は、正岡子規の忌日です。 明治35年没。享年三十六。今日は、何か詠まねばなりませんね。 たとえば、俳句を仕上げたとか、 手紙を書いたとか、蟻が出たとか… これは、私の回りの出来事です。 参考にはならないようですね。それにしても、若くして世を去…

百日紅(さるすべり)

先日、ある神社にて、ピンクの花をつけた低木を見つけた。 と言っても、どこかで見たような花で、珍しいとは思わなかった。私はキリスト者だけれども、神社の空間は好きで、よく気分転換に訪ねる。 何がいいのかよくわからないが、広々とした空間が気持ちい…

稲穂

山道を車で走っていて、不安になることがある。 どこまで続くのだろう。 どこまで行っても、同じ風景で、 人家らしきものが一つもないのだ。そんな時、車にガソリンがあるかどうか、それが肝心である。 車は根性では走らないので、ガソリンがあるかぎり、 何…

秋暑し

日曜日は主の日。今日も暑い一日でした。何事も中途半端はいけないように、 信仰も、捧げきっていないことが、苦しみの第一歩だとわかっていました。 けれども、ペトロのように、いざとなると否んでしまう自分を見ました。 心の奥底の恐れや拒否や憎しみ、そ…

日除け

暫くは馬を日除けにして母子 井筒 紀久枝井筒紀久枝さんをご存知ですか? 「大陸の花嫁」の作者でいらっしゃいます。 この俳句は、敗戦を知らされた時の、ご自身の姿を詠まれたものだそうです。日を遮るもののない大陸で、これからの展望も何もない、 馬とい…

虫時雨

漁港に朝日がさして、さざ波が立っていました。 磯の香りがして、心の中まで洗われるようです。その人は、暗い顔をして海を見ていました。 いえ、つとめて明るく振舞っているようでしたが、 楽しそうには見えませんでした…蔓延っている葛の葉が、一枚一枚、 …

刈田

そろそろ稲刈りが忙しくなってきたようです。 農家の近くを通ると、あれは何でしょう? 納屋の外へ籾殻を吹き飛ばしているのでしょうか? 喉がイガイガします。 私は花粉症ですが、杉の次に稲が苦しいのです。 日本に適応できていないと言えるかもしれません…

秋祭

熊野神社の秋祭り。 幟が立って、屋台が並んで、 私は氏子でもないのに、いそいそ出かけて行った。 というのは、いただいた「富山の力石」に載っていた、 私にとって最も近くの力石が、ここにあるからだ。今日は、宮司さんは忙しいと思い、 宮のお世話をして…

秋の暮

秋は日暮れて。夕暮れが美しい。 頂きから見る畑の畝の影の色が深くなっても、 畑の人は、腰をかがめたまま仕事をしていた。今日も一日が終わったけれど、 まだ、終わらない苦しみを抱えた人を思い出す。 なぜ、そうなったのかを問うのは愚かなことだろうか…

秋草

我が町にある 「JOMON(縄文)パーク」で、 昨年、何やらイベントがあったようで。久々に訪ねたら、土の盛り上がったところに、 土器や土偶が並べて置いてあった。 土偶は見事なレプリカで、おそらく地元の愛好家が作ったものだろう。 しかし、土に横たわっ…

秋の灯

日曜日は主の日。夕礼拝。 自分の限界を知り、謙虚になることを学ぶことができます。 それが、御言葉であり、教会です。 私は、そう思っています。色々、頑張っていたつもりですが、 少し脅迫的だったかもしれません。 実のところ、自分には正義もないし、愛…

林檎

朝、くしゃみを二回して、 おかしいな…と思った。 やっぱり、舌に風邪の“カタ”ができた。風邪か…小さい頃、風邪をひくと、りんごジュースを作ってもらった。 りんごの褐変現象で、ジュースは褐色だった。 今、市販のものは、綺麗な白っぽい色だけど、 本当は…

葡萄棚

雨が降ったりやんだりの中、 参道の石磴を登っていくと、その途中、 隣家の葡萄棚が塀の上からのぞいていた。こちらは階段になっているので、葡萄にやすやすと手が届く。 しかし、葡萄も大方取り尽くされていて、 残っているのは、何か理由があっての代物だ…

秋の雨

この季節にしては珍しいように思う。 秋の雨が激しく降った。寂れた宮に、激しい雨が続く。 公孫樹の太い幹が濡れ、 真っ直ぐな杉の幹が濡れ、 蔓延った根が盛り上がった間に 俵型の大きな石が三つめり込んでいた。村の翁は知らないと言う。 かつてはここで…

秋の夜

新しい枕を買った。 低反発の枕で、程よい高さと柔らかさが魅力だ。 嬉しい…私は枕が低いと眠れない。 頸がほどよく折れていないと、苦しくなる。ということで、くたびれた枕を新しくした、というわけだ。 これで、今日からゆっくり眠れそう…(?)秋の夜は…

灯の涼し

俳誌「雉」9月号より 「新同人作家 競詠」 エクレシア(教会) 福江 ちえり 聖餐のグラスを挙げぬ春灯 殉教の谷間の狭し地虫出づ 復活祭羽毛の付きし卵かな 百合を手に新婦は父と歩むなり 礼拝や赤子の眠る灯の涼し 絵硝子に青き葡萄や夏きざす 青芝の墓地…

秋の虹

夕方、途切れもせず、天空に虹がかかりました。 雨上がりの雲間から、夕日が眩しく照って、 虹を造り出したのですね。一体、どこからどこへ続いているのでしょう。 思わず追いかけたくなります。虹の裾は、より明るくて、渡って行けそうです。 そんな物語が…

秋爽

日曜日は主の日。 午前10時に、教会の鐘が鳴り渡ります。 日曜日の繁華街、不思議な響きと感じる人たちもいることでしょう。今日は、昨日の入選の感謝を、まず、お祈りして礼拝に臨みました。主がお望みにならなければ、 完成間近のものも、一夜にして壊され…

九月

今日は9月1日。 郵便受けを覗いて、一通の封書が届いていた。 「松山市子規顕彰記念博物館」とあった。 第47回子規顕彰全国俳句大会募集句の入賞についてこの度は、第47回子規顕彰全国俳句大会にご投句下さいまして、誠に ありがとうございました。 あなた…