呼吸のように・・・

俳句のエッセー

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

くちなは

少し前に、「失楽園」という映画が流行りましたが、 もともと「失楽園」というのは、アダムとイブ(エバ)のお話です。ヘビがイブをそそのかして、食べてはならないと言われていた果実を食べます。ヘビは、人の心に誘惑を仕掛けてくるものの象徴でもあるよう…

日射病

学校の運動会などで苦痛だったのが、挨拶である。 順に話す方はいいとして、聞いている方は、面白くもない話を、 ただおとなしく立ったまま聞いていなければならない。 早く終わらないか… そう思った時、倒れる輩がいる。 ドサッと音がして、青白い顔をした…

山椒

家を新しくする前、裏に山椒の木があった。 実も成って、よく佃煮にして食べたが、 美味しくて、ご飯がすすんだものである。それが、ある時なぜか、枯れてしまった。 可哀そうだけど、仕方がないので、切ってしまうことになった。割と頼りない鋸を取り出して…

夏帽子

夏祭りの日。 町中で法被姿の一群が歩いてきた。その中に、中学の先輩の姿を発見。挨拶しようか、どうしようか… ドキドキしながら、迷いながら歩いて行って、 でも、すれ違いざまに、 夏帽子を深くかぶって隠れてしまった私。先輩は気付かずに、歩いて行って…

ペンテコステ

日曜日は主の日。 今日はペンテコステ(聖霊降臨日)でした。復活の主イエスが天に昇られてから50日目、 集まって祈りを捧げていた弟子たちに聖霊が降ります。 炎のような舌が現れて頭上に留まり、 弟子たちは、他の国々の言葉で語り始めました。福音が世界…

祭獅子

今日は、獅子舞の日です。 いよいよ、表通りへ入ってきたようですね。 お囃子が近くなってきました。今夜は長くなりそうです。 獅子方連中は、「まだ、本日だ」と言っていましたから、 まだまだ、序の口なのでしょう。今日は、「吟行日和」とばかりに、句作…

じやがたらの花

小学校一年生は、朝顔。 二年生は、じゃが芋、と決まっていた。学校の菜園に、持ち寄ったじゃが芋を植えていくのだが、 畝の左右に、一定間隔で穴を掘り、 一人一個ずつ、割り当てられた穴にじゃが芋を埋めていく、はずだった。しかし、私の割り当てがなかっ…

ミニ薔薇

薔薇の苗を買ってきました。 かつて父の日に、黄色のミニ薔薇をプレゼントしたのですが、 父はすぐに駄目にしてしまいました。 先日、お店に、同じ黄色のミニ薔薇を見つけたので、 つい買ってしまった、というわけなのです。土に落として、元気に花をつけて…

トビウオ

子どもの頃は、肉が嫌いでした。 匂いを嫌って、部屋から出てしまうほど、大嫌いでした。その代わり、魚は大好きで、 焼いている匂いから、何の魚か分かるほどです。ただ、トビウオは別です。 トビウオは別、というのは、 我が家ではトビウオを調理したこと…

葉桜

桜は、すっかり若葉の緑になってしまいました。かつての桜並木は、ただの並木になってしまい、 気に留めるような存在ではなくなってしまいました。 しかし、 気まぐれにも足を止めて葉っぱを眺めていると、 つぅーっと何かが降りてきます。 青くて、細長くて…

団扇

去年の夏、団扇を買った。 というのは、電力不足に対応してのことだが、 お店には、たくさんのアイテムが並んでいた。携帯用の扇風機、団扇、保冷剤…。 どこまで暑くなるかは分からなかったので、 様々に想像し、もっとも効果的なものを選ぼうと悩んだ。扇風…

清和

日曜日は、主の日。風が気持ちのいい、とてもいい季節です。 清和という季語をみつけました。 清和(せいわ) 気候が清らかでのどかで、美しい五月頃の季節をいう。 昔、中国では、陰暦四月朔日(ついたち)を清和節といい、四月を清和月といった。 (沢木欣…

若葉の頃

子どものころ、「チーター」と呼ばれていた。 これは、本人も認めたニックネームだ。 体育の時間に必ず行われたマラソンで、 常に一位を保っていた実績から付けられたのである。小学校3、4年くらいだったろうか。 新年度にも慣れてきた若葉のころ、 授業で…

尺取虫

あかあかと日はつれなくも秋の風 松尾芭蕉これは、とても有名な松尾芭蕉の句である。 先日、この句碑を山道で見た。 それは石を薄く加工して、一枚板のようにしたものだった。 しかも、少し見上げるほど大きい。見事に切りだった、その句碑を、 尺取虫が登っ…

蝸牛(カタツムリ)

カタツムリは、貝の仲間だということを知っていますか?陸産貝類というのです。巻貝ですね。不思議なことに、ほとんどが右巻きです。 ときどき左巻きがいるのですが、その場合は、ヒダリマキ○○という名前になっています。雌雄同体のため、一匹でも増えていき…

アイスクリーム

高校2年生の夏。お昼休み。誰かがアイスクリームを手に、教室へ戻ってきた。 棒状の細長い、珍しくもないそれは、 しかし、教室の中では貴重品だった。「どこで買ったの?」 前の通りのお菓子屋さん。 「どこから出たの?」 そこの塀の奥に、ほころびがあっ…

夏風邪

大体、自分の体調というのは判るもので、 私の場合、調子が悪いと太ってくる傾向がある。なんとなく、そう思うだけであって、根拠はない。 しかし、以前、貧血で通院していた時、 血液検査の数値がいい時は、身体が絞まってきて、 反対に太って来た時は、大…

虹の輪

句会の後、電車時刻まで時間があったので、 福山城へ足をのばしました。 城跡から見た太陽の周りに、虹がかかっていました。虹は、太陽を全周してはいませんでしたが、 陸地に対して反円形に湾曲していたことから、虹の輪だと知れます。虹を見上げて、各々、…

桜鯛(鞆の浦)

人生初、「雉」同人吟行句会。田島和生主宰 特選 桜鯛うろこ閃くしぼり網 福江千英里 今日は、誕生日。 福山城に虹がかかりました。感謝。

水泳

こう見えても、私は運動が得意だ。 確かに今は、体力の問題もあり、スポーツはしていないが、 もともとスポーツは得意なので、何でもそこそこ楽しめる。小学校では、リレーの選手から外れたことはないし、 水泳は、自由形で新記録のメダルももらった。 今で…

蟇蛙(ヒキガエル)

小学校のプールの掃除は、六年生の役目だった。 プール開きが近くなり、六年生が掃除に出て行くと、そわそわした。 またプール掃除には、毎回、面白い話がつきもので、 六年生になるのを、皆、楽しみにしていた。一同が揃えられて、割り当て場所が発表される…

裸足

大学のサマースクーリングの案内が届いてしまった。 もう、そんな季節になったのかと思う。科目履修生の私は、一応、履修予定は出しておいたが、 諸々の事情を考えると、出席は難しいかな、と思う。 けれども、今夏を逃せば、更に難しくなるな、 などと考え…

雀の子

こうしてみると、季語と言うのは随分あって、 とてもじゃないが使い切れない、と未熟な私は思うのです。 一つ一つ学んでいくしかありませんね。季語を探しながら、道を歩いていると、 雀が二羽、つぎつぎ畑に降りてきました。 飛ぼうとするのですが、小さく…

蒲公英の絮(わた)

夕風が強くなって、 上着が一枚欲しくなって、蒲公英の絮がみな飛んでしまって、 茎だけが並んで揺れているころ。遠くに電車が通り過ぎて、 田舎の広い空に、雲が散り散りになって、 雲の間に夕日が明るく差して、こんな日は、街の灯が疎ましく感じられる。…

まむし草

草が青々としてきました。 丈もなく、まだ、緑色が若いけれども、 少し道を離れると、鬱蒼とした気配に 文明人は警戒心を抱くのです。出た。まだらの柄に細長い…なんだ、まむし草か。素晴らしいネーミングで、まむし草は、まさしく蛇のようです。 鬱蒼とした…

桜の蘂(しべ)降る

今日は、午前中、嵐のようだった。日曜日は礼拝に出かけるが、その道すがら、 雨風に吹き飛ばされそうになった。 今日は、金沢の教会まで来た。 教会までの広坂通りは、せっかく美しい季節と言うのに、 まったく余裕がなく、目に入らない。しかし礼拝を終え…

立夏

今日は立夏。暦の上では、今日より夏です。私は、どちらかと言うと、暑さには弱い方だと思いますが、 夏はとても好きです。 海だとか、山だとか、そういう趣味ではなく、 季節として、夏は、もっとも生命力あふれた、 その意味で頂点だと思うからです。世界…

青麦

私たちの教会には、保育園が併設されていて、 子どもたちの礼拝も行われています。 入口の大きな花瓶には、いつもお花が活けられており、 チューリップや桜や百合が私たちを、子どもたちを、迎えてくれます。 新しい年度に入り、青麦が真っ直ぐに活けられて…

五月

もうすぐ私の誕生日だ。 …と、思っていたら、誕生日プレゼントのDMが届いた。なぜ、コーヒー屋が私の誕生日を知っているのだろうと驚く。 理由はわかっているのだ。 私の名前で会員登録をしている人が、家にいる。 自分の名前で書けばいいものを、おかげで…

つばめ

木曽義仲が、倶利伽羅峠の合戦に向けて、 戦勝を祈願した、埴生護国八幡宮。 ここから、義仲は戦に出て行った。その埴生口に歴史を紹介する観光施設、 「倶利伽羅源平の郷 埴生口」が建築される際、 小判が発見されて、話題となった。ここに、その小判が展示…