呼吸のように・・・

俳句のエッセー

水琴窟

水琴窟地底にひびき梅真白   田島 和生

 

水琴窟は、きらきらと輝くような音を、

儚げに響かせます。

つくばいや手水の下に甕が埋め込まれていて、

水を流すと甕に雫が音を立てるという仕組みです。

詳しくはお調べください。

料亭や遊郭などで見ることができます。

その美しく、かそけく、さやかに響く音を、

膝を折って聞いているのでしょうか。

見あげると、真っ白な梅の花

目に止まりました。

梅の清楚な白、その季節は、

凛とした空気を思わせます。

その空気は、水琴窟の音色と重なり、

気が引き締まる思いがします。

水琴窟と白梅が動きません。

素材の持つ本性をみごとに掴んだ一句でしょう。