呼吸のように・・・

俳句のエッセー

俳句会にて

俳句会の経験のない方から、

「句会で疲れた」とか言いますと、

そんなに真剣なのか、と驚かれることがあります。

どうも、お茶とお菓子をいただいて、楽しく俳句を披露し、

褒め合って楽しむもの、というイメージがあるようですが、

それは、全くの間違いです。

真剣勝負そのものです。

かといって、点にこだわるわけではありませんが、

俳句は、「座の文芸」と言われ、

句会で練られて、成長するものですので、

それなりの勉強の場として、だらけた空気では、

決してありません。

さて、虚子は、選評を一切しなかったそうですが、

秋櫻子は、丁寧に評をしていたようです。

それを聞いたとき、秋櫻子が親切だと思いましたが、

それは、選評をしていただいた方が、上達が早いと考えたからです。

一方で、虚子は厳しい、と思いましたが、

今は、むしろ、俳人として相手を尊重していたのかもしれないと

思い始めています。

虚子の本を繙くと、各々に各々の俳句があってしかるべき

というようなことが書かれており、

その姿勢が句会に表れていたのではあるまいか、

そう思います。

俳句会に出席し、指導を受けている立場としては、

どうにかして、一句でも評をいただきたいと思うのが常ですが、

一方で、「自分で考えてみなさい」と言われたとしても、納得します。

選に漏れた、その事実だけで、学ぶところが多いにあります。

その姿勢がなければ、句会にどれだけ集っていても、

意味がないということです。