呼吸のように・・・

俳句のエッセー

寒の晴

日が長くなりました。

雪が止むと、青空が広がり、

日差しは、もう、春を思わせます。

寒中ですので、空気は冷えていますが、

それがまた、気持ちがいい。

川原を歩いて行くと、私の影に驚いたようで、

鴨が一斉に飛び立ちました。

鴨に気付いていなかった、私の方がびっくりしました。

鳶が舞っていると思って見ていると、

一羽が二羽になり、どんどん高くなっていきました。

立春を迎えると、ようい、ドンで走り出すように、

季節は上昇していきます。

今が、今だけが、ノンビリできる時間かもしれません。

何処かで、打球の音がしました。

雪原を飛び出す球は、青空へ吸われて、

もう見えません。