呼吸のように・・・

俳句のエッセー

あたたかし

手のひらへ巫女より御籤あたたかし   田島 和生
さて、からからと筒を振って得たおみくじの番号を伝え、
巫女さんよりおみくじそのものを手渡ししてもらいました。
手が触れて、その手があたたかかったというのではなく、
おみくじがあたたかだった、と言います。
しかし、それは、巫女の手があたたかだったとも受け取れる、
婉曲的な表現であると言ってもいいかもしれません。
巫女の手が見えて、暖かい日差しが感じられて、
瑞々しい空気を感じることができる表現ではないでしょうか。
この美しいひと時を、俳句として留めて、
失われることはないのでしょう。