呼吸のように・・・

俳句のエッセー

軍鶏の目のらんらんとして地の炎ゆる

軍鶏の目のらんらんとして地の炎ゆる   田島 和生

 

季語「炎ゆ」、夏。
珍しい句のように思うのは、
「軍鶏」と「炎ゆ」にあるのでしょう。
「炎ゆ」の雰囲気は、「炎天」や「炎昼」を
思っていただけたらいいと思います。
その炎える日最中、軍鶏が目をらんらんと輝かせ、
ゆらゆらと空気が揺らめく中を、
勇ましく歩いてくる姿を思い浮かべました。
闘志をむき出しにして、しかし、
その王者の風格は落ちつき払って、
せわしさを感じさせないのでしょう。
軍鶏の目を写生し、季語が動きません。
この夏、炎えるような日々が続き、
人は萎えてしまっていましたが、
軍鶏はなんと雄として、動じずにいることか。
その驚きと憧れに似た思いが、
この句を生み出したと想像します。
らんらんとした軍鶏の目を見てみたいと
そう、思いました。