呼吸のように・・・

俳句のエッセー

露けし

露けしや厩舎の馬のみな黙し   田島 和生

 

「雉」10月号が届きました。

気が付けば、もう10月です。

うっかりしていると、すぐに時間が経ってしまいます。

雉北陸地区のブログは、近日中にアップします。

宜しくお願い致します。

 

馬は、とても人間的な動物です。

大人しくて、あまり鳴くことをしませんが、

親しい人の気配を感じて、ヒヒーンと嘶きます。

あ、ヒヒーンって言った!と思うのです。

馬は、鳴くとは言わず、嘶くでした。

厩舎の馬が詠まれています。

厩舎に入れられた馬は、つまりは自由時間ですので、

リラックスして、くつろいでいることでしょう。

身体が大きく、脚が強いので注意が必要ですが、

とても愛らしい動物です。

一頭ずつ、装飾を外された馬は、しかし黙しています。

季語は「露けし」ですが、お馬さんたちは、そろそろ寒さを感じる季節でしょうか。

上着が欲しいな…と思う頃かもしれません。

静かに黙している馬、つまり、おとなしくしているのでしょう。

顔を並べて、黙している馬たちに

秋の風が流れて来ています。

自然は枯れようとしているにも関わらず、

露けさによって、むしろ艶々と、いきいきと見える景色があります。

露のような、澄んでつぶらな馬の目が、

秋の気配を映しているのでしょう。

馬力といわれる、力のある馬に対し、

静かな景色、そして、おとなしい姿は対照的で、

何かを思わせる風景だったに違いないでしょう。

これは、作者の感じる秋の具現化。

万物が落ち着きを取り戻す季節だと感じたのかもしれません。