呼吸のように・・・

俳句のエッセー

遠雷

 遠雷は乳房型せる塚あたり   田島 和生

WEP俳句通信Vol.100より。
「乳房型」という言葉が目立ちます。
つまり、これは古墳でしょう。
「遠雷は」「塚あたり」ということは、
遠くから見えている古墳でしょうか。
独立して築かれた円墳を、乳房型と捉えた作者は、感性が若い。
かつて「雉」主宰だった林徹先生は、「乳」という言葉が好きで、
乳銀杏などを詠むと、必ず取ってくださったとか。
山のようにも見える古墳より遠雷が響きます。
その昔の大王が、呼んでいるようです。