呼吸のように・・・

俳句のエッセー

鷺の子

  鷺の子の舳先に見遣る鰻釣   田島 和生

鰻釣の舟が出ているのでしょう。
私は、鰻釣を見たことがないので、詳細は分かりませんが、
鰻釣の舟の先に、小振りの鷺が来て止まったのでしょう。
「鷺の子」とあるように、それは、怖気づくこともなく、
鰻を釣る漁師の姿を見ていたに違いないでしょう。
鷺は警戒心の強い鳥です。
優雅でいて、一定の距離から近づいて来ることは、決してありません。
子鷺ならではの行動に、作者の目が止まりました。
鷺の子が見つめる鰻漁。
作者も同じ思いで見つめているのでしょう。