呼吸のように・・・

俳句のエッセー

秋の風

私事で恐縮ですが、
姉が股関節の手術で入院中です。
順調に回復し、早くも歩行器で歩き回っています。
元気になると、病院生活とは退屈なもので、
Tully'sでコーヒーを飲み、コメダでアイスを食べ、
それでも時間が余って仕方がありません。
仕方がないので(?)、俳句など作っていました。
限られた環境での句作も苦作でして、大きな窓から空が見える場所へ
移動しては、蜻蛉を眺めたり、山を眺めたりして過ごしていました。
見ると、姉もしおらしく俳句を詠んでいて、
時々、見せ合っては、好きなことを言い合っていました。
リハビリを兼ねた散歩に付き合うのも、なかなか大変です。
しかし、悪いところがなくなった姉は、
リハビリ中とはいえ、身体が軽くなったと嬉しそうに歩いているのを見ると、
良かったとしみじみ思います。
夕方、帰るころになると、風が強くなってきました。
風はすっかり秋です。
日中の暑さも忘れるほどの風は、木立をわたり、
やがて木々を色づけて行くことでしょう。

  あかあかと日はつれなくも秋の風  芭蕉

ちょうど、そのような風が吹いていました。