呼吸のように・・・

俳句のエッセー

水琴窟

金澤ひがし茶屋街、旧「中や」。
お茶屋文化館」改め、「お茶屋美術館」となっています。
志摩の裏手にあたり、志摩は人気のようです。
が、こちらの「中や」さんには、水琴窟(すいぎんくつ)があります。
私は、この水琴窟を目当てに出かけました。
小さな中庭に手水があります。
小石が敷きつけられている中、水が絶えず流れていました。
耳を澄まします。
小さな音が、しかし、はっきりと響いて来ました。
高い音色は、琴に似て、ピンとはじくような緊張感のある音です。
この音こそ、水琴窟の音色です。
中に甕のようなものが埋められ、空洞になっているところへ、
水が流されると、反響して琴の音色のように響く仕掛け、
それが、水琴窟です。
お茶屋は数々あれど、水琴窟の趣は、貴重でしょう。
柄杓で水を掬い、当時をしのびます。
贅沢ですね。
どんな賑わいが、ここにあったのでしょうか。
要人、旦那衆の思いは、はかり知ることができません…