呼吸のように・・・

俳句のエッセー

「雉」ネット俳句6月号 その2

ネット俳句、入選句のご紹介をいたします。
佐保光俊選、特選。

犀川の瀬音に開く桜かな   井波 善太郎 犀川と名のつく川は、日本にいくつかあるようだが、これは、金沢市を流れる犀川であろう。犀川の土手の桜は、春の瀬音に呼応して開花するという捉え方がよい。北陸の春の訪れである。

山法師雨足強くなりにけり   朝倉 みゆき
 山法師の咲く時期は、入梅の頃に重なる。葉の表面を覆うように咲く山法師の花に、一段とつよく雨が降る。山法師の咲く山の斜面に、つよくなった雨足が見える。

喪の家の客にすり寄る子猫かな   辻 雅宏
 猫が飼われている家の家人が亡くなった。親猫は、いつもとは違う雰囲気を察知してどこかに隠れているのだが、そういう感覚がまだ身に付いていない子猫は、弔問客にすり寄っている。

如何でしょうか?
この二人の選者の違いが、ネット俳句の面白さの一つです。
是非、投句してみてください。
お待ちしています。
http://www.kijihaiku.org/