呼吸のように・・・

俳句のエッセー

「雉」ネット俳句

俳誌「雉」HPでは、毎月、俳句を募集しています。
お一人3句まで、月末〆の翌月10日発表です。
選者は、「雉」同人 大前貴之さん、佐保光俊さんです。
そして、今日も発表されました。
5月投句分の入選句です。
今日は、その中の一句をご紹介しましょう。

 尻尾にも風花つけて猫帰る   久保田 美佳

佐保光俊さんの特選です。おめでとうございます。
美佳さんは、何と、初めての投句での快挙です。
そして、この句は、おそらく初めて詠んだ俳句です。
美佳さんのお母様は、小室登美子さん。
そうです。3月に急逝された、小室さんの娘さんです。
お母様が急きょ、入院なさり、少しでも生きる力になればと、
思わず、「私、俳句するわ」と言ってしまったそうです。
そして、詠んだ句が、上記の句でした。
いつの間にか我が家に住み着いてしまった黒猫。
ラインで小室さん、美佳さん、そして妹の理子さんと写真を共有し、
お互いに俳句にしていました。
この句を聞いたとき、小室さんは、
「この句は、いい句。いい句になった…」
このようなことをおっしゃったそうです。
人生、最初に詠んだ俳句。お母様が褒めてくださって、
お母様が初めて目にした、美佳さんの俳句。
その句が特選となりました。
おめでとう、美佳さん。
お母様も天国で喜んでおられるに違いないでしょう。