呼吸のように・・・

俳句のエッセー

竹の秋

  鐘撞くや裏二上竹の秋   泊 康夫


二上山の景色。
こちらは、富山県高岡市二上山です。
万葉の里としても知られ、大伴家持が歌に詠んでいます。
万葉ラインというドライブコースが設けられ、
富山湾から能登までの眺望を楽しむことができます。
掲句の「鐘」は、平和の鐘でしょう。
どっしりとした鐘は、大人の男性でも力がいります。
作者は、今では平和そのものの景色の中、
やはり平和が続くように鐘を撞いたのかもしれません。
鐘の音は、おんおんと流れ、二上山竹の秋を賑わせました。
平和も、無力と思える、小さな一つから広がるものでしょう。
小さな一つを行い続ける勇気を願います。
二上山の平和の鐘は、今も、平和を願う誰かによって
その音を響かせていることでしょう。