うぐひす

  鶯や修理の仏寝かされて   西脇 妙子

『かんさいの風』より。
何処か由緒あるお寺の仏像を思います。
木製品は、日本の気候では傷みやすく、
歴史ある仏像は、ついに修理をすることになったのでしょう。
立像は、今、寝かされて、仏師の前にあるのです。
普段は見られない光景を目にして、幸運を思う作者。
この機会を逃さじと、じっと見つめている作者、
そこへ、鶯が涼し気な声で歌ったのでしょう。
自註によれば、ここは神戸市西区にある、太山寺
重要文化財の仁王像のある本堂は国宝です。
修理の仏とは、この重要文化財ではなく、
この本尊を拝んだ後、薄暗い脇陣に寝かされていた一体だそうです。
「何か勿体ない気がして思わず手を合わせ」ました。
作者の信仰がうかがえる一節でしょう。
「遠くから鶯の声が聞こえて来た」とは、
神々しさを感じます。